リヒテルとの逸話
リヒテルとの逸話が紹介されていました。
リヒテルはアシュケナージが心の中でその演奏に異論を
唱えない数少ない演奏家の一人だったようです。
自身が演奏家なだけに、他人の演奏に納得させられると
いうことは極めて稀でしょう。
そんなアシュケナージが敬愛して止まないリヒテルですが、
かわいいところもあったようです。
以下は「アシュケナージ 自由への旅」からの抜粋です。
スポンサードリンク
『1961年か1962年の夏のこと、レッスンに彼の家に行った。
彼は親切にも僕に感心をもってくれたんだ。ベルを鳴らすと、
奥さんが玄関まで迎えてくれた。奥さんが言うには、彼は
僕に会うつもりはあるが、なんでもひどく落ち込んでいて、
寝台に横になって「白鯨」を読んでいるらしい。部屋に入っ
ていくと、涙を流さんばかりの挨拶だ。聞いてみると、意気
消沈の理由というのは、ショスタコーヴィチの前奏曲とフーガ
を復習ったが、嬰ト短調のフーガがどうもスラッと弾けない
かららしい。それは驚きましたと僕が言うと、寝台から出て
きてピアノの所へ行き、そのフーガを引き始めたんだが、なる
ほど途中で止まってしまった。「ね、僕のいった通りだろ。」
といって、彼はまたベッドに戻ってしまう。』
どうですか、この為体。
漫画「のだめカンタービレ」に登場してくる巨匠達みたい
じゃないですか。彼らは芸術家で、一般社会での経験がない
から、みんな子供みたいな一面を持っているんですね。
リヒテルもそうだったようで、とても巨匠とは思えない
ことを言ったりやったりしてたんだと思うと、可笑しくなり
ますね。
スポンサードリンク
サイト内関連記事
- アシュケナージ
- クラシック音楽のブログなのにナンですが、大好きな アシュケナージのコーナーを設け......
- アシュケナージ 2
- アシュケナージは1937年7月6日に、モスクワの東方約 250マイルにあるヴォル......
- 音楽
- アシュケナージが音楽を始めたのは、まさに生活のためであり 彼の才能が一家を支えて......
- アシュケナージの才能
- 後にアシュケナージは、この父親のピアノの才能について「自分に は あんな即興演奏......
- 音楽的要素
- ほとんど両親が別居状態の中で、父親との会話もなく、父の素性を 知らなかったのも無......
- 民族的開放感
- アシュケナージ・ユダヤ人をして「世界統一を狙う悪魔の集団」と まで言わせしめる理......
- ユダヤの血
- まったくユダヤ的ではないアシュケナージですが、それでもユダヤ の血が入っている事......
- 音楽家アシュケナージ
- アシュケナージの一家は、父親の才能のおかげで、わりあいと 生活には困らなかったら......
- 才能の開花
- アシュケナージの才能はピアノを習い始めてすぐに開花し、 彼の教師がすぐに中央学校......
- 学校
- ロシアも排他的なら、ヨーロッパも同様で、当時ロシア音楽を 根拠なしに格下と見なさ......
- アシュケナージとソ連
- アシュケナージが若き日を送ったソ連という国について、こんな 風に書かれて居ます。......
- モスクワでの生活
- そんなモスクワでの生活で楽しかった思い出と言えば、父親 と一緒にサッカーの試合を......
- アシュケナージの両親
- アシュケナージの両親は、いつでも、どんな時でも彼が ピアノを弾けるように環境を整......
- アシュケナージと文学
- コンサートへ行く自由はあったようですね。 でも、多分ロシア物が殆どだったでしょう......
- 先生との出会い
- そうは言っても、戦後は本が少なくなって、かなりコネが ないと手に入らなかったと書......
- アシュケナージの基礎
- アシュケナージはショパンコンクールで二位を獲得して いますが、それはこの中央音楽......
- ピアニスト
- 結局、この後アシュケナージは自分が用意した曲を弾いて アドバイスをしてもらったん......
- スパイ活動
- ただ、ソヴィエト連邦の人民であることは、個人の自由が許され ない場合も多々あるん......
- 亡命
- どこへ行くにも見張られていて、まったくプライバシーの ない状況に、自由な国で生ま......
- 演奏活動
- こうして、亡命したという事実を認める事なく、ソ連側は アシュケナージが西側で演奏......
- アシュケナージとイギリス
- おとなしくピアニストで居れば良いものを...といわれることは 多分百も承知だった......
- 故国への思い
- さて、故国を捨てたはずのアシュケナージ。 国を捨てた直後は、日本での公演の際、わ......
- モスクワでの公演
- モスクワでの公演の曲目リストです。 1.ウォルトン/交響曲第2番 2.ブリテン/......
